唾液検査の結果をもとに
自分に合った虫歯対策が
可能に!
虫歯を効果的に予防するためには、歯磨きだけでは不十分。もちろん歯磨きは大切ですが、歯磨きでは口内の虫歯菌全てを取り除けません。歯の溝などに細菌が残りますし、口内の環境次第では細菌が増殖しやすく、細菌からのダメージを受けやすくなります。
口の中に原因となる細菌を残さないようにし、細菌に感染しにくい口腔環境にすることが、虫歯予防において必要です。
虫歯ができる原因
虫歯の原因はプラークの中に存在している細菌です。この細菌は糖(砂糖)をエネルギー源として酸を生成し、歯を溶かします(脱灰)。
脱灰が起きても、唾液の持つ再石灰化機能によって修復されますが、再石灰化が進まなければ、脱灰が進んで虫歯になります。
また、食事をすると脱灰が起こりやすくなります。唾液によって元の状態に戻りますが、唾液の働きが不十分だったり、唾液の分泌量が不足していたりすると、虫歯になりやすい口内環境になります。
虫歯の原因として、歯磨きが十分でないことや甘いものを頻繁に摂取することなどがよく知られていますが、その他にも、虫歯を引き起こす原因菌の数(細菌数)、脱灰を防ぐ力(唾液緩衝能)、再石灰化を促進・口の中を清潔にする働き(唾液量)などが、虫歯の原因になり得ます。
虫歯は一つの原因だけでなく、さまざまな原因が重なることによって発生するのです。
唾液検査で虫歯に
なりやすい
口内環境か
どうかがわかります
唾液分泌量
唾液には、口の中を洗浄する働きや殺菌作用などがあります。唾液が十分に分泌されることで口の中を清潔に保てます。
また、唾液には再石灰化を促進する働きがあるので、歯を強くして虫歯から歯を守ってくれます。
しかし、唾液の分泌が減少すると、口の中が不衛生になって細菌が増殖しやすくなります。さらに、再石灰化が進まなくなるので、脱灰が進みやすく虫歯が発生しやすくなります。
唾液の分泌量が十分でないことが、虫歯リスクを高める原因になっている場合もあるのです。
唾液緩衝能
唾液緩衝能とは、酸性に傾いた口の中の環境を中和させて脱灰が起こりにくくする働きのことを言います。この唾液緩衝能が弱いと、口の中は脱灰が起こりやすい環境となるため、虫歯になりやすくなります。
この検査では唾液自体の緩衝能を検査しますが、唾液の分泌量が少ないことも緩衝能が低下する原因になります。
細菌数
口の中にはさまざまな細菌が存在していますが、その中でも虫歯の発生・進行に関係している「ミュータンス菌」と「ラクトバチラス菌」の数を調べます。
細菌の数が多いほど、虫歯が発生しやすく進行しやすくなります。虫歯菌が多いということは、虫歯になりやすい口腔環境だということになります。
唾液検査のやり方
唾液検査は、唾液を採取するだけなので、痛みなどはありません。
時間もかかりませんので、手軽に受けていただける検査です。
唾液を採取します
5分程度味のないガムを噛んでいただき、唾液を採取します。これにより、唾液が十分に分泌されているかどうかがわかります。
また、採取した唾液を試験紙につけて、唾液の緩衝能(中和力)も調べます。試験紙に唾液をつけて、試験紙の色の変化をみることで緩衝作用の強さを判定できます。
舌に棒状の試験紙をつけます
舌に棒状の試験紙をつけて、舌の上に存在している細菌を採取します。採取した細菌を培養して、ミュータンス菌とラクトバチラス菌が口の中にどれだけ存在しているのかを知ることができます。細菌を培養するため、結果は後日お知らせします。
唾液検査の注意点
唾液検査は面倒な検査ではありませんが、検査前1時間は飲食・喫煙・歯磨きを控える必要があります。殺菌剤が配合されたマウスウォッシュ・洗口液は、検査前12時間は使用を控えていただきます。また、運動は唾液の分泌量に影響が出ますので、より正確な情報を得るために、検査前は運動を控えてください。(抗生剤を服用している方は、検査前にお知らせください)
唾液検査はこんな人に
おすすめしています
歯のある人ならば、誰もが虫歯予防が必要になります。
そのため、唾液検査は虫歯を予防したい全ての人におすすめしたい検査です。
中でも次に当てはまる方には、特におすすめです。
- 特におすすめできる方
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- 虫歯になりやすい(と思っている)人
- 丁寧に歯磨きしているつもりなのに虫歯になる人
- 将来に多くの歯を残したい人
- 虫歯になりたくない人
- 虫歯が多い(治療済の歯が多い)人
- 効果的に虫歯を防ぎたい人
唾液量が少ないと
こんなリスクも…
唾液は口の中を清潔に保つ働きの他にも、さまざまな作用があります。唾液の分泌量が十分でないと、歯周病や口臭などの原因になりかねません。唾液検査を行うことで、こうしたリスクを回避させることができます。
口臭の原因につながる
唾液には、殺菌作用や自浄作用などがありますから、十分に分泌されないと細菌の繁殖を招き、口臭の原因になってしまいます。
歯周病のリスクが高まる
唾液分泌が十分でなく、細菌が繁殖しやすい状態では、歯周病の発症リスクも高まってしまいます。近年は大人だけでなく、子供にも歯周病の前段階である歯肉炎の症状が多くみられます。大人だけでなく、子供も歯周病対策が必要であり、唾液量を把握しておくことは有効です。